K.G.

11月 「木の枝を地上に落とし続けるカラスの行動について」

2024.11.20 [Teacher’s Voice]

一気に冬がやってきたような気候になりましたね。
今回の教員による投稿「Teachres’ Voice」の担当は竹内先生です。
キャンパスでよく見かけるある鳥について紹介していただきます。

聖和の森では、昼食時になると学生さんたちが5号館前にほぼ毎日やってくるキッチンカー近くのベンチで軽食をとりながら歓談したり、園児さんたちが家族と一緒にお弁当を広げていたりする光景が見られます。
そのようなとき上空から現れるのが、キャンパスの〈主要メンバー〉であるカラスさんたちです。
気を許していると不意に食べ物を持ち去られるという不運な目に会うこともあるようです。
カラスは鳥の中でも賢い生き物と云われています。広く知られる『ふくろうのそめものや』という昔話では、カラスはフクロウに散々な目にあわされてしまいますが、一般に賢そうに描かれるフクロウよりも、実はカラスの方が知的な行動をとることが観察されています。
彼らは〈遊ぶ〉ことができるようです。
ヒトの発達においても、生後一年目の乳児が、「ハンカチの下に隠されたもの(目標物)をハンカチの覆いを取り去って(手段)つかむ」ということができるようになると、それに続いて今度は、「本来、物(目標物)を獲得するために行っていた振る舞い(手段)そのものを様々に試してみる」という行為が始まります。 聖和の森のナンキンハゼやクスノキの枝が、嵐が去った後のように早朝に地面に散らばっていることがあります。
実が食べられた跡がわかる枝も時には混じっていますが、多くはまだ熟していない実がどっさりついたままの状態で落ちていることが多いです。
遠からずこの学院の学びの場で、地上を這いずるヒト科より少しばかり見通しのきく上空から、落ちていく枝を冷静に見つめながら、彼らは〈万有引力の発見〉にたどり着くのではないかと、少しばかり畏れと期待の気持ちも抱きながら、「木菟(ズク)引きが木菟に引かれる」ような心持ちで日々地上から見守っています。

(竹内伸宜)