8月 「緊張せずにピアノが弾きたい!あなたへ」
まだまだ暑い日が続いていますね。けれども、夜の虫の音は変わりつつあります。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは山内先生です。
ピアノを弾く際に緊張してしまう方に向けた”コツ”について紹介していただきます。
「音楽」の授業では、学期の締めくくりにピアノの実技試験があります。
学生さん達は、相当に緊張されるようで、「一瞬、頭の中が真っ白になった!」「普段は弾けているのに…」「手が思うように動かない…」等の声をよく耳にします。
また、「先生、どうしたら緊張せずに弾けますか」という質問も挙がります。
私も学生の頃…いや、今でも?「音を消せる消しゴムがあれば良いのになぁ」と、思っていました。
自宅での練習と試験とでは、明らかに心身の状態が異なりますよね。
どうすることも出来ない鼓動の高鳴りや気持ちの興奮をコントロールするのは、至難の業です。
こうした、いわゆる「あがり」(学術的には「音楽演奏不安(music performance anxiety)」と呼ばれます)の症状をいかに改善するか、これまで私自身も様々な事を試してきました。
たとえば、消化吸収の良い○○を食べるとか、動悸や息切れに効く○○を飲むとか、○○呼吸法とか、○○ルーティンとか…。
しかし残念ながら、これをすれば万全だと言える方策には巡り合えず、今に至ります。
ここでは、これまでの経験から比較的効果があると思われる対策をご紹介しましょう。
- 録音、録画する
自分の演奏を録音もしくは録画して客観的に聞いてみましょう。新しい発見があるかと思います。 - リハーサルを行う
本番をイメージしてリハーサルを行いましょう。身近な人に聞いてもらうことが出来れば、なお良いでしょう。
緊張した自分の心身の状態を知り、緊張に慣れていくことが大切です。 - 楽譜を見る
音を出さずに、楽譜を見ながら頭の中で音を響かせます。
音符からイメージされる情景を思い描いたり、連想されるストーリーを創造したりして、奏でられる響きのイメージを作っておきましょう。
そして最後に、忘れてはいけない大切なことは「毎日の練習」です。
な~んだ、そんなことかと思われるかも知れませんが、どんなに緊張しようとも、最終的な拠り所はその練習量にあると思います。
緊張は悪いことばかりではなく、ある側面では、あなたの良い部分も引き出してくれます。
適度な緊張感がより良い結果を生み出すこともあるということを、心のどこかに留めておいて頂き、緊張する場面でお役立て頂けたらと思います。
(山内信子)