12月 ある年のクリスマス
今回の「Teachers’ Voice」の担当は「保育指導法」などを
ご担当されている碓氷先生です。病棟保育士として勤務されていた時のクリスマスについてお話しいただきます。それではどうぞ!
皆さんは、クリスマスにはどんな思い出があるでしょうか?
今回は、私が病棟保育士として勤務していた病院でのある年のクリスマスのことをお伝えしたいと思います。
小児病棟に入院している子どもたちは、それぞれが様々な思いや葛藤を抱えて過ごしています。
病棟保育士は、そのような子どもたちに、遊びを中心に発達支援や生活支援を行うとともに、保護者やきょうだいへの支援にも務めています。
当時、病棟には長期入院でクリスマスになっても退院することができないという4歳~15歳の子どもたちがいました。
入院が長くなると、刺激が乏しく単調な生活になりがちですが、少しでも楽しみをみつけてほしいと思い、
病棟のクリスマス会にみんなでペープサートを披露してみないかと提案してみました。
意欲を示す子、不安を口にする子など反応は様々でしたが、無理のないように計画を立てて進めていくことになりました。
お話の内容はクリスマスを題材にした絵本の中から話し合って決めました。
それから毎日、登場人物を描いたり舞台設定に必要なものを少しずつみんなで作り、台本も年長児を中心に考えました。
クリスマス会当日を迎えるまでは、検査結果が思わしくなくて練習に参加できなかったり、気分がのらず参加しなかったりなど、
メンバーがそろわない日もありましたが、はじめは不安を口にしていた子どもも、みんなに見てもらいたいという気持ちに変化しているようでした。
本番では、年長児が年少児に登場するタイミングで声をかけるなどして、助け合いながら演じることができ、
他の入院児や保護者の方たち、病棟スタッフも楽しんで見てくれました。
演じた子どもたちはみんなにほめてもらいとても満足そうでした。
この年のクリスマスは私にとって忘れられない大切な思い出です。
病棟保育士という職業はまだ全国的に少ないですが、家族から離れて入院生活を送る子どもたちにとって、とても重要な役割をもった職業です。
授業では、私自身の経験を通して、病棟保育士への理解を深めてもらっています。
(碓氷ゆかり)