「生」だけでなく「死」も伝えたい。命と向き合う保育の探求
2026年10月15日(木)

優しかった先生に憧れて。幼い頃の経験が導いた保育の道
保育に興味を持ったきっかけは、幼稚園時代に出会った実習生への憧れです。当時は人見知りで、幼稚園への登園にも積極的になれず、特定の友だちばかりと遊んでいました。そんな私にも実習生は優しく声をかけてくれ、しばらく前向きな気持ちで通えたことを覚えています。「私もあの先生のような人になりたい」。強い思いを胸に、保育を学べる高校へ進学しました。高校では、保育と並行して手話なども学んでいたため、進路選択の際は、保育と福祉のどちらに進むか迷った時期もあります。それでも保育を学ぶ道を選んだのは、「子どもが好き」という思いや、幼少期の経験があったからです。関西学院短期大学は、キャンパス内に幼稚園や保育園などが隣接し、子どもたちと関わりながら実践的に学べます。この環境に魅力を感じ、入学を決めました。
子どもの興味を引き出す声かけと、自分だから気付けること
これまでの学生生活では、さまざまな実習を経験しました。最も難しかったのは、イヤイヤ期の子どもとの関わりです。外遊びから戻って手を洗うときやトイレに行くときなど、まだ遊び足りない子どもの気持ちをどう切り替えるか、苦戦する場面が多くありました。そこで意識したのが、子どもが興味を持って動きたくなるような声かけをすること。「今日のお水は冷たいかな?温かいかな?」「今日の石鹸の泡はフワフワかな?」と、好奇心をくすぐるように声をかけると、子どもは自分から積極的に行動してくれるようになりました。また、子どもの様子を観察するときには、幼稚園へ行くことに消極的だった自分の経験が活きています。「行きたくない」という気持ちがわかるからこそ、朝一番の様子には特に気を配り、憂鬱そうな子には積極的に声をかけ、遊びに誘うことを心がけていました。
「命の大切さ」を子どもたちに正しく伝えるために。編入学で見据える未来
卒業後は、関西学院大学の人間福祉学部への編入学をめざしています。これまで保育を学ぶ中で、子どもを健やかに育てることについて理解を深めてきました。しかし今後は「死生観」についても学びたいと考えています。そのきっかけの一つは、最近祖父母を立て続けに見送った経験です。悲しいお別れでしたが、親戚と一緒に思い出を振り返る時間はとても温かく、死は別れであると同時に感謝の気持ちを確かめる機会でもあるという新たな見方が生まれました。そしてもう一つ、死の捉え方について考えさせられた出来事が実習中にもありました。ある子が虫を握って死なせてしまい、動かなくなった途端に興味を失う姿を目にしたのです。子どもたちがどのように死を理解していくのか、そのうえでどう成長していくのかを探究したいと考えるようになりました。実習では子どもを悲しませてしまうと思い、深くは踏み込めませんでしたが、大学で死生観について学ぶことで、子どもたちに命の大切さを正しく、わかりやすく伝えられるようになりたいです。
My best Wonder
不思議ですてきな子どもの感性。ともに全力で楽しめる保育者へ
幼稚園実習での外遊びの際、ザルを使って砂を振るっていた子が、大きめの石が残ったのを見て「お米ができた!」と言っていました。石をお米に見立てる発想がとてもおもしろく、子どもの感性の豊かさに驚かされた瞬間です。また、実習先の幼稚園はのびのびとした雰囲気で、先生が話している最中も子どもたちは自分の作業を続けていました。そのうえで話はしっかり聞いている様子で、「子どもは少しずつ複数のことを同時にこなせるようになるのだな」と感心しました。そうした子どもたちの不思議さや成長を実感しながら、一緒に全力で遊び、楽しめる保育者になりたいと思います。